MOFURel.com

良かれと思って作った機能を1か月で消した

  • #個人開発
  • #TSUNAMENTAL

いまTSUNAMENTALというメンタル系の友達募集サイトを運営している。
メンタルの悩みや発達特性、ひきこもりなど、さまざまな事情を抱える人が、友達や話し相手を募集できるWebサービスだ。
仕組みとしてはとてもシンプルな掲示板で、それにミュート単語やブックマークといった機能がある。

運営していくと、ユーザーの利便性をあげるために新しい機能を追加した方が良いんじゃないか?ということがある。
そのすべてではないけど、いくつかは実際に追加してきた。
ただ、追加するにはサイト全体の整合性も考えないといけないし、つけたけど実際はまったく使われない、ということもおこる。

一番嫌なのは良かれと思ってつけた機能のせいでユーザー体験を損ねてしまったとき。

作った機能を消すのは本来難しい

一度公開した機能を消すのは、普通はかなり難しいと思う。

なぜか?

まず、その機能を使っている人がいる。
運営側から見て利用が少なくても、気に入って使っている人がいるかもしれない。
ある日突然なくなれば、その人は困る。

それから、作った側の事情もある。
考えて、実装して、テストして、やっと公開したものだ。
消すのはもったいないし、「使われないのは置き場所や説明が悪いだけで、機能自体は悪くないのでは」なんて考え始めるといつまでも決断できない。

とりあえず残しておこうかという判断にもなる。

会社のサービスなら、そこに企画を通した人や関係部署との調整も加わる。
追加した機能を1か月後にサクッと消す、という判断はなかなかできないはず。

そうやって機能が積み重なっていき、整合性がとれなくなるという未来も見える。

個人開発だからPDCAを早く回せる

でも自分は個人開発で、ユーザー数もまだ多くない。

自分で考えて、自分で作って、自分で判断できる。
当然だけど誰かの承認を待つ必要もない。
ユーザー数が少ないのは運営としては課題なのだけど、見方を変えれば、まだ身軽に試行錯誤できる段階でもある。

だから、作って、出して、様子を見て、だめだと思ったら消す。
そんなサイクルをかなり早く回している。
それが完全に良い方向に回っているかというと、ちょっと自信がないのだけど。

公開から1年半近く経つけど、その間に追加した機能を短期間で削除したことが何度かある。

たとえばレベル機能。
サイトの利用状況に応じて一部の操作に段階を設ける機能だった。
安心して使える場にしたいと思って入れたのだけど、運用してみると普通に使いたい人に余計な手間をかけているだけと感じるようになった。
結局、導入から1か月経たないうちに廃止した。

作る前は必要だと思っていた。
自分はできるだけユーザーの不安を消したいと思っているので、そのために良い機能だと思っていた。
でもいざ公開して人に使ってもらうと、あれ?って。
自分ひとりの頭の中を抜け出た瞬間に、わかることが沢山でてくる。
そして、わかった時点で引き返せるのが個人で開発しているいまの強みだと思っている。

利用者が増えて、機能が日常的に使われるようになればなるほど、消すのは難しくなるだろうと思う。
だから深い傷になる前に、余計だと思った機能はサクッと消す。

個人開発だとすべて自分の判断で決められるので気持ちが楽なのがいい。

ただ、やり過ぎると問題だよね

とはいえ、身軽だからといって何でも変えていいわけではないとも思っている。

昨日まであった機能が今日はない。
やっと慣れたと思ったら、また画面が変わっている。

ころころ機能が変わるサイトなんて、ユーザーから見たら使いにくいに決まっている。
仕様がばんばん変わっていくサイトには信頼感はないよね。

それに、変更が続くと「この機能もそのうち消えるんじゃないか」と思われてしまうのもあるかもしれない。
PDCAを早く回せるのは強みだけど、回すたびにユーザーを振り回しているかもしれない。

試すのも消すのも、個人開発なら気軽にできる

それでも、試すことも消すことも自分の判断ですぐにできるのは、個人開発のいちばんの強みだと思う。

企業なら何人もの合意が必要になる判断を、自分ならひとりで決められる。
だめだと思ったら、すぐに引き返せる。

ユーザーを振り回さないようには気をつけつつ、これからも作っては消してを繰り返していくんだと思う。

余談

作っては消してを繰り返していて、ひとつ思うことがある。

機能を足すと、サイトを改善したような気持ちになる。
でもTSUNAMENTALで言うと、ユーザーが求めているのは多機能な掲示板ではなく、話し相手を見つけること。

だから作る前に一度、「これがなくても目的は果たせるんじゃないか」と考えるようにしたい。
消すのが楽だからといって、なんでも作っていいわけではないし、目的を見誤らないようにしたい。

← ARTICLES